お子さんの目は大丈夫? 目の病気を発見するには?

眼がよく見えていないことを表す、子どものサインがあります。
気づいたら早めに眼科医に診てもらってください。

当院では国家資格を有する視能訓練士が丁寧に対応致します。また当院は、国際医療福祉大学視機能療法学科の視能訓練士の実習病院となっており、斜視・弱視治療の人材育成にも協力しております。

 

□物を見るとき、

片方または両方の目を細める

□片方の目を隠すと途端に嫌がる
□近くはよく見えても遠くがよく見えない
□片方だけ極端に視力が悪い
□近くのものや遠くのものに
 ピントが合いにくく、よく見えない

□両目の視線がそろわない

□涙の量が多かったり、

まぶしがっている

□物の輪郭がぼけて見える
□目が充血している、目やにが多い
□片目で見ると物が二重に見えたりする
□目が腫れている
□ものが見えにくい

□瞳が白く見える、

暗い所で光って見える

子供の目の病気、注意事項

物を見るとき、片方または両方の目を細める

近くはよく見えても遠くがよく見えない

近視

遠くのものがぼんやり見えます。単純近視とよばれるものは、多くは小学校などの在学中に発症します。大部分がこの種類です。一方、病的近視は、幼児のときから始まり、めがねをかけてもあまり効果がみられず、網膜剥離や眼底出血を起こしやすい病気です。

治療

眼鏡、コンタクト、オルソケラトロジーなどで見やすくしますが、軽度の近視で日常生活に支障がなければ必要ありません。

 

近くのものや遠くのものにピントが合いにくく、よく見えない

遠視

近いものだけではなく遠くのものも見にくくなります。ぶつかったり、転びやすくなることもあり、遠視が強いとピントを合わせようと目に力を入れるため、片目が寄り目になる調節性内斜視という状態を招き、さらに重度の遠視になると、視力が十分に発達せず、眼鏡をかけても矯正視力が出ない弱視という状態になります。

治療

網膜にピントを合わせ、矯正視力(めがねをかけた時に視力のこと)を発達させます。近視の場合とは異なり、このめがねは治療の目的もあるため、なるべくいつもかけていることが大切です。

 

物の輪郭がぼけて見える

片目で見ると物が二重に見えたりする

乱視

軽症の場合自覚症状はありません。目が疲れやすくなり、遠くのものも近くのものも輪郭がぼやけて見え、片目で見ると物が二重に見えます。生まれつき角膜のカーブがゆがんでいることが原因で、これを乱視といい、角膜の炎症や外傷のせいで表面に凹凸ができたために後天的に不正乱視が起こる場合もあります。

治療

正乱視の場合は、症状にあっためがねで矯正できます。不正乱視の場合は、コンタクトレンズをつけることによって表面の凹凸をなくします。

 

ものが見えにくい

弱視

視力が発達する乳幼児期の目の異常のため、視力が発達しなかった状態です。
視力が弱く、眼鏡などでも矯正視力が出ません。斜視が原因の弱視を斜視弱視、片方の目に遠視や乱視があるために起こる不同視弱視、両目に遠視や乱視があるために起こる屈折性弱視があります。
強度の遠視、斜視、先天性白内障といった目の異常のせいで、乳幼児期に物がはっきり見えない状態にあったため視力が発達しなかったことが原因です。

治療

屈折性弱視や不同視弱視はめがねをかけて網膜にピントを合わせ、矯正視力(めがねをかけた時の視力のこと)を発達させます。斜視弱視は手術で斜視を治した後訓練で改善を図ります。治療が遅れると改善しにくくなるため、早期の発見が大切です。

 

片方の目を隠すと途端に嫌がる

片方だけ極端に視力が悪い

不同視

視力が左右で極端に違う状態です。視力の良いほうの目の負担が大きいため、眼精疲労を起こします。両目を使って立体的に物を見る機能が発達できず、立体感や遠近感がわからなくなります。また、見る機能そのものが発達せずに起きる不同視弱視になることもあり、この場合視力が著しく低下します。

治療

眼鏡やコンタクトレンズを用い見やすくします。

 

子供の両目の視線がそろわない

斜視

 左右の眼の視線が一致しないことを斜視といいます。斜視では片方の目で物を見てしまうので、使われないもう片方の眼の視力が育たず、弱視になります。
まず脳腫瘍や網膜芽細胞腫などが原因で起こる斜視を鑑別する必要があります。斜視から網膜芽細胞腫が見つかることもあるのです。
原因は、両眼の視線を合わせようとする脳の機能が悪い場合と、眼球を動かす筋肉に原因がある場合、遠視の影響で強い屈折調節が必要なために内斜視になる場合 があります。また、片方の眼がよく見えない場合、その目は物を見ようとしないので視線を合わせる必要がなくなるため、勝手な方向を向いて、斜視になることもあります。
 なお、小さな子どもでは、偽斜視のこともよくあります。鼻根部(目と目の間)の発育が悪くて、黒目の内側に白目が見えないために、一見斜視のように見えるものです。これは、成長につれて自然に治ります。
 本当の斜視であれば、子供の視力の発達時期に斜視があると、目の機能の異常も招くので、気づいたら早く眼科を受診してください。

治療

 眼球を動かす筋肉の位置を手術でつけかえたり、筋肉の強さを調節して治療し

ます。遠視による内斜視は、眼鏡で遠視を矯正すれば治ります。

 

涙の量が多かったり、まぶしがっている

逆さまつげ

 子どもはまぶたが厚いために、まつげが内側を向いてしまい、眼球の表面に触れることがあります。ただ、眼にまつげが当たっても、子どものまつげは毛質が柔らかいため、本人はあまり気にしません。涙の量が多かったり、まぶしがったりすることで気づきます。
 成長とともにまぶたが薄くなることに伴い、まつげも自然に外側を向くようになるので、しばらく経過をみるのが普通です。

治療

3歳ぐらいになっても治らなければ、毛質が硬くなってきて眼球表面を傷つけたりすることもあります。その場合は、まつげを外側に向ける手術で治します。

 

子供の目が充血している、目やにが多い

はやり目・プール熱

 ウィルス感染などで結膜(いわゆる白目の部分)が充血し、目やにがたくさん出る病気です。子どもの目にはよく起こります。かぜに似た症状が現れることもあります。
 結膜炎のなかには、目をこすった手や物を介してほかの人に感染するものもあるので、治るまで幼稚園や学校は休ませます。また、こまめに手を洗ったり、タオルは別のものを使用したり、入浴後はお湯をかえるようにしましょう。

治療

アデノウイルス、エンテロウイルスによる結膜炎には有効な原因療法はなく、対症療法が中心となります。細菌感染予防のための抗生物質やステロイドを点眼します。

 

子供の目が腫れている

ものもらい

 まぶたの腫れで気づく病気としては、一般に「ものもらい」といわれる場合が多いです。ものもらいは、汗を分泌している汗腺(かんせん)に細菌が入ったり、脂の出るマイボーム腺の出口が詰まり脂が溜まって、炎症を起こしたり化膿(かのう)した状態です。まぶたが赤く腫れて痛みます。

治療

ほとんどは抗生物質の点眼薬・軟膏(なんこう)などで治ります。長引くときは、切開して膿(うみ)を出してあげることもあります。子どもは全身麻酔が必要なので、できるだけ薬で治します。

 

子供の瞳が白く見える、暗い所で光って見える

網膜芽細胞腫・先天白内障

 医学的には「白色瞳孔」といい、代表的な病気に、網膜芽細胞腫という子どもの目の悪性腫瘍があります。この場合は、白というより猫の目のように黄緑色に光って見えます。早期に治療をしないと命にもかかわりますので、疑わしいときは、すぐに眼科を受診してください。
 また、白内障にも先天性のもの(先天白内障)があり、瞳が白く濁って見えます。子どもの場合は、視機能の発達に影響するので、早期の治療が必要になります。